2024年4月6日土曜日

ラオスのサラサヤンマ探索記(2)

  フォンサバン産のサラサは2種あるか?
 前のページでも触れたように、同一生息地で得られたサラサヤンマは何となく2種混じっているような気がしてなりません。はたしてどうか?帰国してから詳細に見てみることにしました。
 帰国後のバタバタがひとまず区切りがついたので、まず尾部付属器を見てみました。今回得られたサラサヤンマの上付属器は明らかに形状が異なり、Aは細長いのに対してBはへら状に幅広で先端が丸まる。一方、下部付属器は一見、良く似ているが、良ーくと見ると基部の幅や二股に分岐する先端部のV字の角度などが異なっていることが分かります。イメージ的にはABに対して細長い。一方斑紋は若干Bの個体が腹部側面の斑紋が大きく見えます。しかしそのほかに目立った斑紋の相違点は認められませんでした。
 亡くなった友人のサラサの標本を改めて調べてみるとやはりこの2(A,B)が含まれていていることが分かりました。ペニスについては標本を軟化しなくてはならないので、今回は割愛します。主に尾部付属器の違いで、両者は容易に識別できました。これら2種を他の既知種と比較すると、下図のように該当するものがないことから、たぶん新種だと判断されます。この結果、ラオスからは2種の新種(だとして)とminuta およびyoshitomii の4種が記録されたことになります。
     
                        
 A                    B                     A                    B
   
                           A                                                        B
                     
                  A, B いずれもシェンクワン県フォンサバン近郊の同一産地

 インドシナ半島部から知られるサラサヤンマ属全種の尾部付属器の比較(簡単なスケッチでスケールはいい加減です。)です。gaofengensis を除いて記載図から作画してます。今のところ、各種はその尾部付属器の形で、しかも上付属器背面から図のみで区別できることが分かります。
                    

















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